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2004.07.31

費用と価値と値段

 費用(コスト)ってのは、物を作る以上どうしたって発生する。材料費、人件費、その他もろもろの費用たち。
 で、出来上がった品物の価値(バリュー)ってのは、必ずしも費用とは一致しない。判り易い例を挙げるならコピー製本の同人誌。無名の人間が作った小説誌では、いくら厚くても二束三文だけど、有名作家のコピー誌となればたとえ8ページでも法外な値段がついたりする。
 そう、値段(プライス)。価値は必ずしも費用と正比例せず、また買い手側の思い入れによって著しく上下するので、それらを無難なところにまとめるために通貨という物品交換アイテムの量でもって品物を評価した値。

 私は、買い物っていうのは自分の中での品物の価値を値段と比較して、折り合いがつけば通貨を払って購入する。自分が必要とする機能に対して、どれだけの対価を払うことができるか。そういう行為だと思ってる。

 店に立っていると、時折腹立たしくなる。
 自分が必要としている機能がどんなものかも考えず、ただ『○○』と名前のついた品物を手元に置きたいだけ。自分にとってのそれの価値など考えたこともないまま買い物に来て、値段が高いか安いかも判断できない。ただ、数字の大きさしか見てない人。……あなたは、いったい何をしに来てるんですか?
 まあ、情報家電って代物が、まだその程度のものでしかない、ってことでもあるんだろうけど。

 にしたってさあ、いい年した社会人が金額の多少だけで「高い」「安い」と言うのはちょっと悲しいと思うぞ。自分の「労働力」を売って「給料」と言う対価を得ているんだから。製造業やサービス業なら物にまつわる費用もある程度想像つくはずだし。

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『マルドゥック・スクランブル』読了

 「青色画面研究所」さんところとかで見かけていたSF小説『マルドゥック・スクランブル』全3巻、読了しました。なるほど、こいつは本当に面白い。早川のベストSF2003と星雲賞の2冠を取っただけはあります。
 主に店で昼休みにちょっとずつ読み進めたんですが、毎回いい感じにテンションを持ち上げてくれるので仕事の上でも役立ちました。
 エンターテイメントとして間違いなくよい作品ですが、見方を変えると最近社会の歪みとして誰もが無視できなくなっている「虐待」という問題に正面から取り組んでいる作品でもあるようにも見えます。エンターテイメントをそんな見方で見るのはいけないのかもしれないのだけれど、判り難い問題を抽出・誇張してみせるのも物語の役割のひとつでしょうか。
 登場人物たちもいいキャラが多かったですね。バロット、ウフコック、ボイルド。脇役ながらベルとアシュレイもいいキャラです。……続編が予定されているのは嬉しいけれど、続編が蛇足にならないといいなぁ。

 筆者の沖方さんが原作を務める漫画、『ピルグリム・イェーガー』もちょっと気になってます。4巻と巻数を重ねて、徐々に物語のテーマが見えてきたような。これもまた、痛みを伴う物語であることは間違いないようです。

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ふてぶてしい猫

 今月は暑かった。久しぶりに夏っぽい夏になったと思う。
 でもまあ、ここは長野で、しかもウチのアパートは川沿いにあるので夜になると涼しい。ここに住んでてよかった。
 で。涼しいと思うのは、人間だけではないらしい。
 角部屋なのをいいことに、ドアの開閉に邪魔にならない廊下の突き当たりに古新聞を放置してるのだが、夜になると1匹の野良猫がその上に鎮座するようになった。いや、足を投げ出して寝そべっている。こっちが帰宅すると明るさが変化するせいか、薄目を開けて周囲を確認するのだが、振る舞いはそれだけ。
 普通の野良猫なら人が1m以内に近づいただけで逃げ出すっていうのに、このふてぶてしさはどうしたことだろう。年もかなり食っているように見受けられるので、年相応のふてぶてしさ、ということなんだろうか。
 最初はちょっとかまってみようかと、牛乳なんぞを与えてみたのだけれど、そのまま干からびるだけで手を出した気配なし。最近は帰宅時に見かけたら、家に入る前に声をかけるようにしてるけど、全くもってかわりばえ無し。

 こいつ、いつまで顔見せてくれるかなぁ。

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7月最後の日

 うだうだと転がっているうちに、もう7月終わりですよ。
 来週店が改装するから、明日から1週間休み無しだよ。
 先週ちょっと気を許したら、何も書かなかったよ。
 今何も書かなかったら、もう7月何も書けないよ。

 とりあえず、幾つか書いておこう。
 ついでに、下へ行くほど新しい記事になるように表示の設定を変更。今までの表示は個人的に違和感があってちょいといい感じがしなかったので。

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2004.07.14

物語の語り手たち。

 最近読書を再開。「マルドゥック・スクランブル」(沖方丁、ハヤカワ文庫)が面白かったので「最近の中心でサンプリングするか」とストレス解消も兼ねて「SFが読みたい!2004年度版」(早川書房)と「ファウストVol.3」(講談社)を衝動買い。
 「ファウスト」の方は新伝綺ムーブメントとかいって、奈須きのこ、原田宇陀児、元長柾木の新人3人が書き下ろし短編で競作。……えーと、奈須きのこ以外の2人も見覚えがあるぞ?
 ざっとサーチ、と言うか奥付を確認。奈須きのこは言わずもがな、「月姫」「Fate」のシナリオライター。原田宇陀児は、飛ぶ鳥落とす勢いだった頃のLEAFの良作、「WHITE ALBUM」のシナリオライター。で、元長柾木も自分で購入したことはないけどやっぱりエロゲのシナリオライター。
 ……これはいったいどうしたことなんですかね?

 まあ、確かに「雫」「痕」(共にLEAF)あたりからこちら、PCのアダルトゲームってシナリオ重視のものが増えてるし、他の媒体では商業化できそうもないエッジな物語りも多い。「白詰草話」「Quartet!」(共にLittleWitch)みたいなシステム的にも無茶で斬新的なものもあるし、「家族計画」(D.O.)のシナリオライター、山田一のように信者を生み出す語り手もいる。「18歳以上」という括りがあるのをいいことに、好き勝手に大人じゃなければ読み解けない突っ込んだ物語を語る連中もいるのだ。

 そんなことを連想しつつ書棚をクルージング。雑誌のコーナーで「ニトロプラス大特集」(このブランドもまた物語に比重を置いてエロが申し訳程度に入っている作品ばかりを出しているところだ)を銘打つ「ColorfulPureGirl」を発見。
 おや。個性派シナリオライターの小特集が載っています。PickUpされているのは前述の奈須きのこと元長柾木、ニトロプラスの看板ライター虚淵玄に山田一同一人物説が囁かれる田中ロミオ。そして、この間のけぞった「Forest」のシナリオライター星空めてお。星空めておに関しては1ページを割いたロングインタビュー付き。
 ……うわあ。やっぱりというか、皆さんそれぞれ凝り性な気質のようで。そうでもなければ、あんな物語は描けないか。
 そして、もひとつびっくりなのは、星空めておが挙げるお気に入りの作家達。フィリップ・K・ディック、M.Z.ブラッドリーの「ダーコーヴァ年代記」、コードウェイナー・スミスにジェイムズ・ティプトリー・Jr.。なんてことだ、ディック以外は全部ウチの本棚にありますよ(笑)。ディックは多すぎて買わなかっただけなんだけどw。 なるほど、波長が合うわけです。

 暇を見ながら、溜め込んだ物語を読み進めるとしましょう。物語を自分の内へ取り込むために。
(文中、敬称は略させていただきました)

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2004.07.09

積みゲ崩し2点

 まあ、数ヶ月積みっ放しだったゲームを2点ばかりインストールしてみました。

 まずは、ライアーソフトの「Forest」。このライアーソフトという会社、固定ファンの多いところでどれもイカレていると言うことなので買ってみたわけですが。
 冒頭からとんでもない飛ばしっぷりです(笑)。プロローグのテキストは電波な文章と紙一重、垣間見えるのは「不思議の国のアリス」や「ナルニア国物語」からのサンプリングとリフレイン。女性キャラはボイス付ですが、テキスト表示されない台詞もあって迂闊に早送りなクリックもできず。声の演出と文章の表現の凝り具合が並じゃありません。
 プロローグを終えたところで小休止。チョイとググったら「Forest Wiki」なんて物を見つけました。管理者は海法紀光氏。「式神の城」のノベライズが縁でアルファシステム・サーガに「よけ文学者」として取り込まれたりしてますが、元はTRPG関連のライターさん。アメコミに詳しかったりSFマニアだったりもしますが、何でこの人がこんなものを……。蓬莱学園=遊演帯つながりなのかな? 海法さんは蓬莱学園の熱心な参加者で、それをきっかけに業界入りを目指したそうですが、ライアーソフトはその遊演帯のメンバーが独立して設立した会社だったりするのです。
 この先の「Forest」の展開、楽しみにしてもいかもw。

 で、もう1本崩したのは「Fate/stay night」(TYPE-MOON)だったりするのですが。
 これが困った。知名度、人気度、どう見ても「Forest」より上でしょう。同人で大ブレイクした「月姫」の後継として商業作品として登場。爆発的な売れ行きだったし、おそらくは夏コミのそちら方面はこれ一色になるだろうことは想像に難くなく。体験版も面白かったのだけど。
 「月姫」には2周目以降への意欲が起きず、「空の境界」では軽い失望を覚えてしまった私にとっては。
 凝った仕掛けも何もなく、ただオーソドックスなシステムで物語を読ませようとするだけのこのゲームはちょっと辛いなぁ。キャラは魅力的かもしれないのだけれど、そこいらにあるライトノベルと変わらないジャン、といったらそれまでだしなぁ。……これに60時間(メーカー想定コンプリート必要時間)突っ込んでもいいのかしら。
 せめて、前2作と違った印章を与えてくれるか、「デモンベイン」並みに吹っ飛んだところを見せてくれればまだやる気も出るんだけどなぁ。

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既に7月

 と言うか、その7月も既に1/3が終わろうとしているし。
 以前と比べて、本当に更新頻度が落ちました。
 いや、ネタを考えていないわけではないんですよ? 通勤時間片道40分、いろいろ考える時間はあるのです。……問題は、そこでいろいろ考えた結果満足してしまって書き込むまでに至らないと言う点に有りますが(笑)。

 まあでも、愚痴みたいな事は書き込みたくはないし、何其買った、とかいう物欲日記でもしょうがないし。批評家ぶってオタクネタを語ろうにも、そんなものに触ってもないし。
 ……ああ、何も実のあることをしていないなぁ。何かしら、創作にまつろうことをしたいのだけれどなぁ。

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