失われた歌を求めて
TRPGサポート誌「Role&Roll」に連載されていた「ローズ トゥ ロード」のリプレイ、「ソングシーカー」が書き下ろしの最終回を加えて一冊の本になりました。
出先の本屋で見つけて、手に取ったら棚に戻しがたくなってしまってそのまま購入。
三十路を迎えたGM(小林正親氏)が、10も年下の「TRPG初めて」な人たちをプレイヤーに迎えて、彼らの初々しい行動に振り回されながらも真正直にマスタリングしている様子や、途中からPLに加わった鈴木銀一郎先生(古希を既に迎えられたそうです)も青年達と一緒に真剣にプレイしている様子が伝わってくる、とてもいい読み物です。
「ローズ トゥ ロード」自体が古くからあるゲームなので、その舞台世界・ユルセルームも、幾許かの歴史を持っています。ある程度の経験を持ったゲーマーなら、そこかしこにちりばめられた言葉や地名、人物に懐かしさを覚えるでしょう。
だけど、このリプレイでは、それを知っているのはGMだけ。6人のプレイヤーは誰も、そんな歴史のことは知りません。読者のほとんどは、彼らプレイヤーと同じ立場だと思います。
でも、真剣に考えて前に進もうとする彼らの言葉には、時に過去のユルセルームで綴られた物語の登場人物たちの言葉と重なる瞬間があります。古くからのユルセルームのファンたちには、それは驚きだと思います。
……いや、かつてユルセルームに暮らした人達には当たり前のことかもしれませんね。
突飛な設定や萌えキャラで注意を引くのでもなく、「プレイのお手本たれ」と教科書のようなプレイをするのでもなく。
プレイヤー達も、GMでさえも、さまよいながら世界を旅して物語を紡いでいる、そんなリプレイです。
もし見かけたなら、どうぞ手に取ってください。
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や。だいぶ感傷的な文章書いてますな。
でもホント、とてもいーんだってば。
「Role&Roll」19号に、単行本記念座談会が載っているので、それも合わせて読むとより面白いかと思います。そちらには参加者の顔写真も載ってますが、みな良い顔してるんだよね。
いい経験したんだなぁ、みんな。
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